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空き家対策!

2015/01/07

                 

Ⅰ. なぜ空き家・空き地が増えているの!?
【参照:国土交通省 空き地・空き家等外部不経済対策について】

○管理水準の低下した空き家・空き地

発生要因
・住宅開発時に購入された土地が、所有者の経済的事情、遠隔地居住等により、利用されずに放置。
・所有者の高齢化や死亡により住居を撤退した後も、利用用途がないままに放置。等
・相続で所得した物件が田舎にあるが、相続人は都心に住み、また相続対象物件周辺の過疎が進み、売却も困難の為、空家・空地として維持している。

自治体が対応に苦慮している要因等
・所有者の経済的事情や遠隔地居住等により、管理や利用を指導しても対処してもらえない。
・管理の指導を要する空き地が多く、行政のマンパワー不足等により対応が困難。また、強制的な措置を講ずるためには、時間と費用がかかる。
・相続により権利関係が複雑になっていること等により、所有者を特定することが困難。等



○ 管理水準の低下した空き家、廃屋・廃墟等
発生要因
・過疎化、高齢化等により利用者がいなくなった後もそのまま放置。等で自治体が対応に苦慮している要因等
・所有者と利用者とのマッチングに苦慮(所有者は貸すことに躊躇、利用者は賃借や購入への不安等)。
・空き家にあわせて農地を利用・処分したくても農地関係制度等との関係で利用・処分が困難。
・空き家のある住宅地の周辺に新規の住宅開発があり、空き家の利用者がいない。
・相続により権利関係が複雑になっていること等により、所有者を特定することが困難。
・建築や紛争等の関係法令等の専門的な知識を有する職員が不足。等



① 空き地・空き家対策の事業等
○ 空き家再生等推進事業
・老朽化の著しい住宅が存在する地区において、住環境の改善を図るため、①不良住宅又は空き家住宅の除却、②空き家住宅又は空き家建築物の活用のための改修等へ補助。
・古民家空き家活用例空き家の古民家を町が所有者より取得しリフォームを行い、地域住民の活動拠点、また、郷土の映画館、記念館として活用。

○ マイホーム借上げ制度
(移住・住みかえ支援機構)
・高齢者の所有する戸建て住宅等を、広い住宅を必要とする子育て世帯等へ賃貸することを円滑化。


空家・空地問題は今後の不動産相場・地域の経済活動にも影響が大きく、不動産を所有されていない方・投資をお考えでない方も含め気になる話題かと思います。



Ⅱ. 空き家対策特別措置法

法律で空き家の対策はどう変わる?

「空き家対策特別措置法」の狙いは2つあります。
法律で問題のある空き家を「特定空家等」と定義をする事です。
市町村が空き家への立入調査を行ったり、指導、勧告、命令、行政代執行(所有者が命令に従わない場合や所有者が不明な場合)の措置を取れるように定め、所有者が命令に従わない場合は過料の罰則を設けています。
登記があいまいで空き家の所有者が分からないという課題については、固定資産税などの課税のための個人情報を必要な範囲において利用できるようにも定めています。
もう1つの狙いは、活用できる空き家の有効活用です。
市町村に、空き家のデータベースを整備し、空き家や空き家の跡地の活用を促進することを求めています。
ただ実行されるには、国が基本方針を定め、それに応じて市町村がそれぞれ空き家に対する方策を立てる必要があります。
空き家対策の実施に必要な費用についても、国と都道府県が市町村に補助をするなど財政上の措置も必要となります。

「空き家対策特別措置法」は成立しました。
ただ施行は「公布の日から起算して3カ月以内で政令で定める日から施行」などとなっており、まだ先です。
(※)今の法律のままでは、空き家を撤去し更地にすると固定資産税の軽減措置が受けられなくなるので、不要な住宅の放置につながっているのが現状です。
空き家が少なくなるのは、まだまだ先かも知れません。


Ⅲ. 相続について

相続財産の中で一番評価が高くなると考えられるのは土地や建物です。
土地の評価をする場合には次の幾つかの評価方法があります。

売買時価(実勢価格)
公示価格(標準価格)
相続税評価額(路線価格)
固定資産評価額
  ・以上の価格にはかなり大きな差があります。

相続税評価額よりも売買時価が下回っている場合は、それを証明できれば時価での申告が認められています。
しかし、遺産分割時には実勢価格での分割が現実的であると思われます。

◆宅地の相続・贈与税の課税方法
宅地の相続税評価額を算出する方法には路線価方式と倍率方式があります。
毎年1月1日を評価時点とします。

<路線価方式>
市街地にある宅地については、路線価を基準として相続税評価額を算出します。
路線価とは道路に面した標準的な土地の1㎡あたりの価額のことで、国税庁の路線価図にまとめられています。

相続税路線価
相続税路線価=クリック!→
  ・評価額は単純に(路線価×面積)で計算できます。

例えば200Gとあるものは、単位が千円で1㎡あたり20万円です。
借地権割合が30%(G)ということです。
この土地が100㎡ある時は次のようになります。
借地権価額=自用地の価額×借地権割合
20万円×100㎡×30%=600万円
貸宅地価額=自用地の価額-借地権の価額
2、000万円-600万円=1,400万円

※宅地を自分で使用している「自用地」の場合は、借地権割合を考慮する必要はありません。

借地権割合とは、宅地の権利が借地権や貸付地の場合に、更地の時価に対する借地権価格の割合のことです。

借地権割合 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30%

アパートのような共同住宅で借家人が住んでいる場合
その建物が建っている敷地のことを貸家建付地と言います。



貸家建付地の評価額の計算
自用地の価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
自用地の価額が3,000万円 借地権割合が60% 借家権割合30% 賃貸割合100%の場合
3,000×(1-0.6×0.3×1)=2,460万円

底地(そこち)とは借地権をはじめ所有権以外の権利がついた土地のことをいいます。

借地権の取引慣行がない地域においては借地権価額は評価せず貸宅地価額は上記の計算ではなく
自用地の価額の80%で評価します。


<倍率方式>
郊外にある土地や農村部の宅地の場合は、固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて相続税評価額を算出します。
1つの宅地については、上の2つの評価方式の内のどちらかが適用されます。
どちらが適用されるかが不明のときは、税務署に問い合わせれば教えてもらえます。
相続財産の中で一番評価が高くなると考えられるのは土地や建物です。